リョウ・リャンキ
今回は邦画でも人気の高い『スワロウテイル』に登場する「リョウ・リャンキ」です。
この作品のこの配役、江口洋介さんが実にいい感じの悪役を演じておられます。
特に、最初の登場シーンで「指をピストルにしてしまう」あの演技は、秀逸です。観ているうちに、江口さんの指がいつの間にか本物のピストルに見えてしまうという、演出の巧みさもさることながら、江口さんの演技あっての名シーンでしょう。
たいへん失礼ながら江口さんの演技に対しては、それまではいわゆるトレンディドラマに類いするチャラ系のキャラクターを演じることが多く、演技も大味っぽい印象があったんですが、このリョウ・リャンキ役はなんというか、役者としての底力を見せつけてくれました。
『スワロウテイル』での江口さんの演技は、さり気ない仕草にもきちんと「リョウ・リャンキらしさ」が備わっていて、変な言い回しになりますが、「演技している感」が感じられませんでした。つまり、あたかも本物のリョウ・リャンキがそこにいるような、実にリアルで自然な演技に、すっかりやられてしまいました。その圧倒的な存在感は、まさに感服もの。
そんなリョウ・リャンキの一番好きなシーンは、やっぱり「クビキレ」と面倒くさそうに言い捨てる、あのシーンです!