内海課長
さぁ!内海課長ですよ!
あの『機動警察パトレイバー』で痛快なキャラクターを存分に見せつけてくれた、あの内海課長。もう、大好き!
へらへら笑いながら、とんでもない悪事を一切の躊躇も逡巡も持たずにやってのける、企画力と実行力。ほんとうにシャープな頭脳と強いハートの持ち主。でも笑顔。素敵。
でも今になって考えると、彼には常人なら悪に対して感じてしまう後ろめたさや良心の呵責が、あまりにもきれいに抜け落ちているように思えます。もちろん、漫画のキャラクターなんだからと言ってしまえばそれまでですが、そこで思考停止せず、ちょっとだけ深読みしてみましょう。
想像できる範囲で考えてみたとき、悪に対する抵抗力が摩滅している場合、やはり考えられるのは「より大きく深い悪を経験することによる良心の麻痺」が思い浮かびます。
人は、初めて万引きをするときにドキドキしますが、何度も繰り返しているとだんだん慣れてきて、普通の仕草と同じように万引きできてしまう。その何百倍ものスケールで、内海課長の過去は大きく深い悪や修羅場を実体験してきたのではないか、と。
実際、少年の人身売買や武器の密輸、テロリストの手配や指揮管理など、単なる犯罪を超えた悪事を淡々と、しかも楽しげにこなしてしまうその奥に、なんか「凄味」を感じてしまいます。
あのヘラヘラ顔に隠された内海課長の壮絶な過去を、知りたいような知りたくないような...なんとも奥の深いキャラクターです。
そんな内海課長の一番好きなシーンは、二つ。電話で徳永専務に「あんたが悪いよ。」って言い放つシーンと、「頭は優位に立ったときこそ下げるもんだ」と黒崎くんに“訓戒”を垂れるシーン。大好き。